本文書は、IVDRに関する活動の優先順位及び準備状況を報告する、MDCGによる共同実施計画文書の更新版(2022年6月発行)となります。

最優先事項として位置づけられている活動の実施スケジュールが記載された、本文書附属書部分の参考和訳を本ページにて公開しております。また、本文の概要については、下記の概要欄をご確認ください。

タイトル 体外診断用医療機器規則2017/746(IVDR)に関する合同実施/準備計画
概要 本文書は、IVDRに関する活動の優先順位及び準備状況を報告する、MDCGによる共同実施計画文書の更新版(2022年6月発行)となります。本文書において示される優先順位は、新しい法規制の重要概念である、公衆衛生、患者の安全及び透明性という目標に基づいて、また利害関係者の必要性に基づいて設定されています。本文書における優先順位は、機器を市場で利用可能にするために不可欠な実務的活動を示す「セットA」、主に法令やガイダンスの整備を示す「セットB」に分けられます。

 

■セットAに分類される活動
緊急時対応計画に関する活動、またIVDの市場での入手において不可欠な要素となるノーティファイドボディに関連する活動について説明されています。

 

<不測の事態に備えた対策>
MDCGでは、指令から新規則への移行の進捗について協議を行うと同時に、機器の市場での入手に関連するリスクや、そのリスクを低減する対策の特定についても体系的な分析を行っています。MDCGの協議をより加速させることが必要であり、そのために、情報提供の観点において、利害関係者、委員会、MDCG間の連携が求められています。また、IVDRの対応においては、新たな法的枠組みの適用に関する経験不足、十分な関連ガイダンスが発出されていない中でIVDRの適用日を迎え、さらに2022年5月頃のCOVID-19危機の状況が未だ不透明であることも加味しなければならず、そのような状況下で準備を行うには、すべての当事者が健康危機のシナリオにおいてIVDRの分析を行うことが求められます。

 

<ノーティファイドボディの利用可能性>
ノーティファイドボディに関する課題として、指令下と比較し新規則下の方がより幅広い認証能力を有したノーティファイドボディが必要とされている一方で、その需要を満たすのに十分なノーティファイドボディの数が足りていないことが挙げられます。さらに、COVID-19パンデミックにより、ノーティファイドボディの指定やその業務自体に負荷がかかっており、重要なIVDの供給の途絶及び不足に直結する可能性があるため、規則(EU)2022/112により、指令下で発行された認証書の有効期限を2025年5月まで延長する措置が講じられました。また、規則(EU)2022/112においては、指令下における適合性評価手続でノーティファイドボディの関与が要求されなかった機器、当該指令に従い適合宣言書が2022年5月26日より前に作成された機器、及び規則に従った適合性評価手続でノーティファイドボディの関与が要求される機器について、クラス別に移行期間終了日が設定されています。(規則(EU)2022/112の詳細については、こちらをご確認ください。)

 

■セットBに分類される活動
EUリファレンス・ラボの指定、共通仕様や欧州整合規格の整備など、当事者が業務を円滑に行えるよう整備すべき活動について説明されています。

 

<EUリファレンス・ラボ>
EUリファレンス・ラボ(EURL)は、クラスD機器が市場出荷される前に、クラスD機器の性能や共通仕様への適合を検証したり、CEマーキング済のサンプルやバッチを試験したり、その専門性を用いて様々な助言を行ったりすることができるため、EU域内のクラスD機器の一貫性のある評価において、EURLの設立に関する取り組みは重要と位置付けられています。

 

<共通仕様>
機器の適合性評価において、製造業者が共通仕様を採用するか否かは任意ですが、共通仕様への適合により、製造業者は、共通仕様が対象とするIVDRの要求事項に対する適合性の推定を標榜することができます。またノーティファイドボディやEURLは共通仕様に対して機器を評価することになります。指令下では共通技術仕様が存在しますが、軽微な修正は行うものの、基本的には指令下の共通技術仕様がそのままIVDRの共通仕様に移行されます。また、新規則下でのクラスD機器の新しい共通仕様も開発中となっています。初回採択には、Kidd式及びDuffy式血液型判定、シャーガス及び梅毒、サイトメガロウイルス/エプスタイン・バーウイルスの検査機器に関連する3つの新しい共通仕様が追加される予定となっています。

 

<ノーティファイドボディ向けガイダンス>
既にMDR/IVDR共通のノーティファイドボディに関するガイダンスは多数発行されていますが、IVD分野に特化したノーティファイドボディに関する主要なガイダンスが発行される予定となっています。また、経過措置の適用に関連するガイダンスとして、IVDR第110条第3項に係る「重大な変更」に関するガイダンスが2022年5月に発行されており、第110条第3項第2段落に係る「適切なサーベイランス」の明確化に関するガイダンスの発行も予定されています。

 

<性能評価及び専門家パネル>
IVDRは科学的妥当性、分析性能、臨床性能の3つの性能評価の要素を規定しており、これらを立証するための要求事項を規定しています。性能評価には、性能評価計画書及び報告書、並びに市販後性能フォローアップを含む文書が要求され、IVDRでは臨床的エビデンスに関する規定が強化されています。これらの規定を適用するための共通アプローチが必要であることから、臨床的エビデンスに関連するガイダンスの作成には高い優先順位が付けられています。また、新規のハイリスク機器において、ノーティファイドボディは、製造業者が提出した性能評価報告書について専門家パネルと協議しなければなりませんが(クラスD機器の共通仕様がない場合や当該種類の機器で初めての認証の場合)、専門家パネルとの協議が必要となるケースの明確化については、既にガイダンスが発行されています。加えて、IVDRにおいては、EUDAMEDを通じての性能試験の申請/届出が規定されておりますが、現在開発中であるEUDAMEDが機能するまでの間、性能試験の申請/届出に使用するためのテンプレートの作成も予定されています。

 

<規格>
欧州委員会は、欧州連合官報にて、MDR/IVDR整合規格の参照情報のリストを公表し、定期的に追加・更新を行います。

 

<コンパニオン診断機器>
コンパニオン診断機器のIVD市場における規模はそれほど大きくはありませんが、医薬品の正しい使用、また患者のより効果的な治療へのアクセスという点において非常に重要です。コンパニオン診断機器関連の最優先事項として、コンパニオン診断機器の適合性評価のための、ノーティファイドボディと医薬品当局・欧州医薬品庁との協議の基本的なプロセスを整備するガイダンスの作成が必要であると認識されています。

 

<施設内機器>
施設内機器とは、IVDR第5条第5項に規定の、同一医療機関内で製造・使用される機器であり、IVDRにおいては、これらの機器に対する要求事項がより強化されています。規則(EU)2022/112により、施設内機器を製造する医療機関が満たさなければならない条件の適用が、2024年5月26日まで延期となりました。また、市場で入手可能な同等機器では標的患者群の特定のニーズを満たすことができないことを医療機関が正当化するための要求事項の適用については、2028年5月26日まで延期となります。

 

<レガシーデバイス>
MDRに対するMDCG2021-25ガイダンス同様、IVDR第110条第3項に係る、レガシーデバイス又は2022年5月26日より前に市場出荷された機器に対するIVDR要求事項を明確化するためのガイダンスが2022年5月に発行されています。

 

<欧州医療機器データベース(EUDAMED)>
IVDRの適用日である2022年5月26日までに、EUDAMEDが完全稼働することは困難であることから、EUDAMEDが完全に機能するまでの間の情報交換における運用方法及び技術的代替解決策に関する、IVDR固有のガイダンスの作成が予定されています。当該ガイダンスでは、情報交換が難しい状況や不可能な状況等が識別され、状況別の対応策が具体的に示される予定です。

 

■2022年5月26日以降について
これらの短期的な優先順位については、中・長期的活動の戦略的計画の枠組みの中で、継続的な優先順位付けが行われます。

今後、性能試験、安全性及び性能の要約、施設内機器、コンパニオン診断機器、及び医薬品の臨床試験で使用される機器の適格性評価に関するガイダンスの発行が想定されています。また市場監視及びビジランスにおける協力・協調は、市場の機器の安全を確保するために非常に重要であるため、これらの要求事項の適用に関し、より明確化する必要性が認識されています。

 

■附属書参考和訳
IVDRに関する活動の要約

原文 Joint implementation and preparedness plan for Regulation (EU) 2017/746 on in vitro diagnostic medical devices (IVDR)(2022年6月発行)

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