【米国】医療機器メールマガジン – 第111号(2023/10/13配信)

■ INDEX ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

1) 市販前申請(510(k))に関するガイダンスの刷新について
2) コンビネーション製品へのヒューマンファクターエンジニアリングの原則への適用におけるQ&Aに関する最終ガイダンスについて
3) 医療機器の生物学的安全性評価におけるISO 10993-1の使用に関する最終ガイダンスについて
4) Breakthrough Devices Program(画期的機器プログラム)に関する最終ガイダンスについて
5) 医療機器の改善の促進に関する最終ガイダンスについて
6) 減量に関連した使用を適応とする医療機器における2つのドラフトガイダンスについて
7) 災害や公衆衛生上の緊急事態による大規模な混乱時の医療製品の臨床試験の実施に関する留意事項の最終ガイダンスについて
8) 医療機器のサイバーセキュリティにおける品質システムに関する留意事項および市販前の申請内容に関する最終ガイダンスについて
9) 薬剤感受性試験機器のブレイクポイントの更新の表示に関する最終ガイダンスについて
10) 医療機器のDe Novo電子申請用の様式に関するドラフトガイダンスについて
11) 生理学的閉ループ制御(PCLC)技術を有する医療機器のための技術的考察に関する最終ガイダンスについて

 

■ 詳細情報 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

1) 市販前申請(510(k))に関するガイダンスの刷新について
(2023/9/7 Updated)

FDAは、市販前申請(510(k))に関するガイダンスの刷新のため、以下の3ガイダンスを公表しました。

① Recommendations for the Use of Clinical Data in Premarket Notification [510(k)] Submissions
② Evidentiary Expectations for 510(k) Implant
③ Best Practices for Selecting a Predicate Device to Support a Premarket Notification [510(k)] Submission

これらのガイダンスは、510(k)プログラムの予見可能性、一貫性および透明性を高めることを目的としています。

①のガイダンスでは、現行のガイダンス(The 510(k) Program: Evaluating Substantial Equivalence in Premarket Notifications [510(k)])において510(k)申請で臨床データが必要となる場合の最も一般的なシナリオについて、追加のシナリオが示されています。
②のガイダンスでは、510(k)が要求されるすべての埋め込み機器に対する一般的な推奨事項が示されています。
③のガイダンスでは、510(k)申請に使用される先行機器を選択する際に採用すべき以下の4つのベストプラクティスが推奨されています。

・確立された方法で承認された先行機器であること。
・先行機器が、期待される安全性および性能を満たしている、または上回っていること
・使用上または設計上の安全性に問題がないこと
・設計に関連したリコールがないこと。

本件に関する意見募集は、2023年12月6日まで実施されています。

詳細は、下記のURLより確認することができます。
Recommendations for the Use of Clinical Data in Premarket Notification [510(k)] Submissions
https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/recommendations-use-clinical-data-premarket-notification-510k-submissions

Evidentiary Expectations for 510(k) Implant
https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/evidentiary-expectations-510k-implant-devices
Best Practices for Selecting a Predicate Device to Support a Premarket Notification [510(k)] Submission
https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/best-practices-selecting-predicate-device-support-premarket-notification-510k-submission

※FDA:米国食品医薬局(Food and Drug Administration)

2) コンビネーション製品へのヒューマンファクターエンジニアリングの原則への適用におけるQ&Aに関する最終ガイダンスについて
(2023/9/7 Updated)

FDAは、以下のコンビネーション製品へのヒューマンファクターエンジニアリングの原則への適用におけるQ&Aに関する最終ガイダンスを公表しました。

・Application of Human Factors Engineering Principles for Combination Products: Questions and Answers

本ガイダンスは、過去に公表された「Human Factors Studies and Related Clinical Study Considerations in Combination Product Design and Development」が最終化された文書であり、以下の内容等が示されています。

・コンビネーション製品のクリティカルタスクの定義
・医薬品および医療機器の構成部品の併用によるコンビネーション製品に関する留意事項
・ユーザーインターフェースの一部としてのトレーニング
・市販前申請に含めることができる、コンビネーショ ン製品のユーザーインターフェースにおけるヒューマンファクター検証データ

詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/application-human-factors-engineering-principles-combination-products-questions-and-answers

※FDA:米国食品医薬局(Food and Drug Administration)

3) 医療機器の生物学的安全性評価におけるISO 10993-1の使用に関する最終ガイダンスについて
(2023/9/8 Updated)

FDAは、以下の医療機器の生物学的安全性評価におけるISO 10993-1の使用に関する最終ガイダンスを公表しました。

・Use of International Standard ISO 10993-1, “”Biological evaluation of medical devices – Part 1: Evaluation and testing within a risk management process””

本ガイダンスは、2016年6月に公開されていた同名のガイダンスを置き換えるものです。

本ガイダンスでは、医療機器の生体適合性評価のためのリスク分析、細胞毒性、感作性、血液適合性等の各種試験に関する考慮事項等について、ISO 10993-1を使用する際の内容が示されている他、別添として主に下記が含まれています。

・別添A:考慮すべき評価エンドポイント
・別添B:生体適合性評価用デバイスマスターファイル
・別添C:生体適合性文書概要
・別添D:生体適合性評価のフローチャート
・別添E:生体適合性試験報告書の内容
・別添F:構成品および機器の文書化例
・別添G:表皮と接触する特定の機器の生体適合性
・別添H:用語集

詳細は、下記のURL より確認することができます。
https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/use-international-standard-iso-10993-1-biological-evaluation-medical-devices-part-1-evaluation-and

※FDA:米国食品医薬局(Food and Drug Administration)

4) Breakthrough Devices Program(画期的機器プログラム)に関する最終ガイダンスについて
(2023/9/14 Updated)

FDAは、以下のBreakthrough Devices Program(画期的機器プログラム)に関する最終ガイダンスを公表しました。

・Breakthrough Devices Program

Breakthrough Device Programとは、生命を脅かす、または不可逆的に衰弱させる疾患または病状のより効果的な治療や診断を提供する特定の医療機器等における開発、評価、および審査をスピードアップさせ、患者・医療関係者への迅速な医療機器提供を図るものです。

本最終ガイダンスは、弊社メールマガジン第100号でご案内したドラフトガイダンスが最終化したものです。

本ガイダンスは、以下の内容が示されています。

・Breakthrough Devices Programの原則
・指定申請
・本プログラムの特徴

詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/breakthrough-devices-program

※FDA:米国食品医薬局(Food and Drug Administration)

5) 医療機器の改善の促進に関する最終ガイダンスについて
(2023/9/14 Updated)

FDAは、以下の医療機器の改善の促進に関する最終ガイダンスを公表しました。

・Fostering Medical Device Improvement: FDA Activities and Engagement with the Voluntary Improvement Program

本ガイダンスは、FDAの自主的改善プログラム(Voluntary Improvement Program: VIP)に参加した医療機器メーカーへの第三者評価について、機器の品質を高めるための改善を指導することを目的としています。

本プログラムは、過去に実施された、医療機器製造・製品品質自主管理パイロットプログラムの一部を取り入れたものでFD&C Act 510条(k)、513条、515条および520条に基づいて審査される医療機器メーカーのみが対象です。

本ガイダンスでは、VIPについて以下の内容が示されています。

・本プログラムの特徴
・本プログラムの運営
・FDAの活動および本プログラムの関係性

詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/fostering-medical-device-improvement-fda-activities-and-engagement-voluntary-improvement-program

※FDA:米国食品医薬局(Food and Drug Administration)

6) 減量に関連した使用を適応とする医療機器における2つのドラフトガイダンスについて
(2023/9/15 Updated)

FDAは、以下の減量に関連した使用を適応とする医療機器におけるドラフトガイダンスを公表しました。

・Medical Devices with Indications Associated with Weight Loss – Non-Clinical Recommendations
・Medical Devices with Indications Associated with Weight Loss – Clinical Study and Benefit-Risk Considerations

これらのガイダンスでは、それぞれ減量に関連する適応を持つ医療機器における非臨床試験および臨床試験デザインに関する推奨事項が示されています。

本件に関する意見募集は、2023年11月14日まで実施されています。

詳細は、下記のURLより確認することができます。
Medical Devices with Indications Associated with Weight Loss – Non-Clinical Recommendations
https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/medical-devices-indications-associated-weight-loss-non-clinical-recommendations

Medical Devices with Indications Associated with Weight Loss – Clinical Study and Benefit-Risk Considerations
https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/medical-devices-indications-associated-weight-loss-clinical-study-and-benefit-risk-considerations

※FDA:米国食品医薬局(Food and Drug Administration)

7) 災害や公衆衛生上の緊急事態による大規模な混乱時の医療製品の臨床試験の実施に関する留意事項の最終ガイダンスについて
(2023/9/20 Updated)

FDAは、以下の災害や公衆衛生上の緊急事態による大規模な混乱時の医療製品の臨床試験の実施に関する留意事項の最終ガイダンスを公表しました。

・Considerations for the Conduct of Clinical Trials of Medical Products During Major Disruptions Due to Disasters and Public Health Emergencies

本ガイダンスは、災害や公衆衛生上の緊急事態において、治験依頼者、治験審査委員会(IRB)および治験責任医師が、被験者の安全を確保し、臨床試験の実施の基準(GCP)の遵守を維持し、治験の完全性に対するリスクを最小限に抑えるための一般的な留意事項を示すことを目的としています。

詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/considerations-conduct-clinical-trials-medical-products-during-major-disruptions-due-disasters-and

※FDA:米国食品医薬局(Food and Drug Administration)

8) 医療機器のサイバーセキュリティにおける品質システムに関する留意事項および市販前の申請内容に関する最終ガイダンスについて
(2023/9/26 Updated)

FDAは、以下の医療機器のサイバーセキュリティにおける品質システムに関する留意事項および市販前の申請内容に関する最終ガイダンスを公表しました。

・Cybersecurity in Medical Devices: Quality System Considerations and Content of Premarket Submissions

本ガイダンスは、サイバーセキュリティのリスクがある医療機器の設計、ラベリングおよび市販前申請において提出を推奨するサイバーセキュリティ情報について情報提供することを目的としています。

本ガイダンスは、以下の既存のガイダンスに取って代わるものになります。

・Content of Premarket Submissions for Management of Cybersecurity in Medical Devices

詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/cybersecurity-medical-devices-quality-system-considerations-and-content-premarket-submissions

※FDA:米国食品医薬局(Food and Drug Administration)

9) 薬剤感受性試験機器のブレイクポイントの更新の表示に関する最終ガイダンスについて
(2023/9/28 Updated)

FDAは、以下の薬剤感受性試験(AST)機器のブレイクポイントの更新の表示に関する最終ガイダンスを公表しました。

・Antimicrobial Susceptibility Test (AST) System Devices – Updating Breakpoints in Device Labeling

本ガイダンスは、FDA-Recognized Antimicrobial Susceptibility Test Interpretive Criteria (STICウェブサイト)に掲載された抗菌薬のブレイクポイントの変更時においても、薬剤感受性試験(AST)機器の有効性および安全性を確保できることを目的としています。

本ガイダンスは、以下の既存のガイダンスに取って代わるものになります。

・Updating Labeling for Susceptibility Test Information in Systemic Antibacterial Drug Products and Antimicrobial Susceptibility Testing Devices(以下、旧ガイダンス)

旧ガイダンスでは、ブレイクポイント変更後の本機器のラベリングの更新手順について明記されていませんでした。

本ガイダンスでは、本機器のメーカーが、所定の変更管理計画を介してラベルの感受性試験の解釈基準(STIC)を更新するためのアプローチ等についても示されています。

詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/antimicrobial-susceptibility-test-ast-system-devices-updating-breakpoints-device-labeling

※FDA:米国食品医薬局(Food and Drug Administration)

10) 医療機器のDe Novo電子申請用の様式に関するドラフトガイダンスについて
(2023/9/29 Updated)

FDAは、以下の医療機器のDe Novo電子申請用の様式に関するドラフトガイダンスを公表しました。

・Electronic Submission Template for Medical Device De Novo Requests

本ガイダンスは、申請書の一貫性を向上させ、審査プロセスの効率性を高めることを目的としています。

本件に関する意見募集は、2023年11月28日まで実施されています。

詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/electronic-submission-template-medical-device-de-novo-requests

※FDA:米国食品医薬局(Food and Drug Administration)

11) 生理学的閉ループ制御(PCLC)技術を有する医療機器のための技術的考察に関する最終ガイダンスについて
(2023/9/29 Updated)

FDAは、以下の生理学的閉ループ制御(PCLC)技術を有する医療機器のための技術的考察に関する最終ガイダンスを公表しました。

・Technical Considerations for Medical Devices with Physiologic Closed-Loop Control Technology

PCLC機器とは、生理計測センサー、駆動装置、制御アルゴリズムからなるシステムで、生理計測センサーからのフィードバックにより、生理学的変数を調整および維持するものです。

本ガイダンスでは、当該機器に関する以下の内容が規定されています。

・PCLC機器の設計における留意事項
– リスクマネジメントに関する留意事項
– PCLC機器の設計に関する留意事項
– 検証およびバリデーションに関する留意事項
・非臨床試験に関する留意事項
– 動物実験
– 数理/計算モデルによるPCLC機器試験
・人間工学試験
・表示

詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/technical-considerations-medical-devices-physiologic-closed-loop-control-technology

※FDA:米国食品医薬局(Food and Drug Administration)