【米国】医療機器メールマガジン – 第88号(2021/11/10配信)

■ INDEX ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

1) 埋め込み機器で一般的に使用される材料の製品安全データについて
2) 承認済のAI/MLベースの医療機器リストについて
3) 体外診断用医療機器の市販前申請のための臨床試験から提出されたデータに対するGCPの要件について
4) 治験責任医師の有害事象報告における責務に関するドラフトガイダンスについて
5) 510(k)提出用の電子提出用テンプレートに関するドラフトガイダンスについて
6) De Novo 分類プロセスに関する4つの最終ガイダンスについて
7) 公的ヒト遺伝学的変異データベースのFDA認証について
8) 外科用ステープラーおよびステープルのラベリングにおける推奨事項に関する最終ガイダンスについて
9) GUDID要件におけるポリシーに関するドラフトガイダンスについて
10) 補聴器および個人用音声増幅製品(PSAP)の規制要件に関するドラフトガイダンスについて
11) FDA、カナダ保健省およびMHRAによるGood Machine Learning Practice (GMLP)の開発のための10の指針の公表について

 

■ 詳細情報 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

1) 埋め込み機器で一般的に使用される材料の製品安全データについて
(2021/9/22 Updated)

FDAは、埋め込み機器で一般的に使用される材料の製品安全データを公表しました。

本製品安全データの公表は、医療機器の安全性の向上促進のためのFDAの継続的な取り組みの一環として行われております。

詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-brief-fda-publishes-material-safety-data-promote-safer-more-effective-medical-devices

各材料における製品安全データの詳細は、下記のURLより確認することができます。

・Magnesium Safety Profile
https://www.fda.gov/media/152349/download

・Polypropylene Safety Profile
https://www.fda.gov/media/152350/download

・Polyurethane Safety Profile
https://www.fda.gov/media/152352/download

・Siloxane Safety Profile
https://www.fda.gov/media/152353/download

※FDA:米国食品医薬局(Food and Drug Administration)

2) 承認済のAI・機械学習ベースの医療機器リストについて
(2021/9/22 Updated)

FDAは、承認済のAI・機械学習ベースの医療機器リストを公表しました。

昨今のAI・機械学習ベースの医療機器への関心の高まりを受け、複数のリソースから引用し承認されているAI・機械学習ベースの医療機器のリストが作成されました。

詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://www.fda.gov/medical-devices/software-medical-device-samd/artificial-intelligence-and-machine-learning-aiml-enabled-medical-devices

※FDA:米国食品医薬局(Food and Drug Administration)

3) 体外診断用医療機器の市販前申請のための臨床試験から提出されたデータに対するGCPの要件について
(2021/9/27 Updated)

FDAは、体外診断用医療機器の市販前申請のための臨床試験から提出されたデータに対するGCPの要件を公表しました。

2006年に公表された以下のガイダンスのセクションIVで規定されている条件を満たす場合、体外診断用機器の臨床試験においてインフォームドコンセントの取得無しに臨床試験の実施が可能です。

・Guidance on Informed Consent for In Vitro Diagnostic Device Studies Using Leftover Human Specimens that are Not Individually Identifiable
https://www.fda.gov/media/122648/download

また、市販前申請においては、以下の事項が要求されます。

・米国で実施された臨床試験:
(GCPに準拠している場合)
– 21 CFR parts 50, 56, 812で規定されたGCPに準拠していることを示す記述
(GCPに準拠していない場合)
– その理由

・米国外で実施された臨床試験:
(GCPに準拠している場合)
– GCPへの適合性に関する情報
(GCPに準拠していない場合)
– 権利放棄の要求またはGCPに準拠して臨床試験を実施しなかった理由
– データと結果の信頼性および正確性を確保し、被験者の人権の保護、安全の保持および福祉の向上のために講じた措置の説明

詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://www.fda.gov/medical-devices/ivd-regulatory-assistance/good-clinical-practice-gcp-requirements-data-submitted-clinical-investigations-in-vitro-diagnostic-ivd

※FDA:米国食品医薬局(Food and Drug Administration)

4) 治験責任医師の有害事象報告における責務に関するドラフトガイダンスについて
(2021/9/28 Updated)

FDAは、治験責任医師の有害事象報告における責務に関するドラフトガイダンスを公表しました。
本ドラフトガイダンスは、IDEに基づく臨床試験で生じたUADEを対象としています。

本ドラフトガイダンスの最終化後は、以下のガイダンスの対応する部分に取って代わります。

・Guidance for Clinical Investigators, Sponsors, and IRBs Adverse Event Reporting to IRBs — Improving Human Subject Protection
・Guidance for Industry and Investigators Safety Reporting Requirements for INDs and BA/BE Studies ※医薬品の臨床試験に関するガイダンス

本件に関する意見募集は、2021年11月29日まで実施されています。

詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/investigator-responsibilities-safety-reporting-investigational-drugs-and-devices

※FDA:米国食品医薬局(Food and Drug Administration)
※IDE:治験医療機器適用免除(Investigational Device Exemption)
※UADE:予測できない機器による有害作用(Unanticipated Adverse Device Effect)

5) 510(k)提出用の電子提出用テンプレートに関するドラフトガイダンスについて
(2021/9/28 Updated)

FDAは、510(k)提出用の電子提出用テンプレートに関するドラフトガイダンスを公表しました。

弊社メールマガジン第51号でご案内しておりましたとおり、2018年9月より市販前申請の電子申請への移行(510(k) eSubmissions Pilot Program)が開始され、2021年5月30日に本パイロットプログラムおよびeSubmitter電子提出テンプレートの使用が終了しました。

更に、2020年2月からeSTAR Pilot Programが試験的に開始され、510(k)における申請はeSTAR電子申請テンプレートで申請ができるようになりました。現在、510(k)における電子申請は、eSTARでのみ行うことができます。

本ガイダンスでは、eSTAR電子申請テンプレートの構成および本ガイダンスの最終化後に510(k)電子申請の実施スケジュールが指定されることが示されています。

本件に関する意見募集は、2021年11月28日まで実施されています。

詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/electronic-submission-template-medical-device-510k-submissions

eSTARによる510(k)申請の方法の詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://www.fda.gov/medical-devices/premarket-notification-510k/510k-program-pilots#estarprep510k

※FDA:米国食品医薬局(Food and Drug Administration)

6) De Novo 分類プロセスに関する4つの最終ガイダンスについて
(2021/10/5 Updated)

FDAは、De Novo 分類プロセスに関する以下の4つの最終ガイダンスを公表しました。
詳細は、下記のURL より確認することができます。

・De Novo Classification Process (Evaluation of Automatic Class III Designation)
本ガイダンスでは、先行機器(Predicate Devices)は無いが、機器のリスクが低から中程度である場合に検討し得るクラス分類、即ち、クラスIII判定の見直し要請(De Novo classification request)に係る申請プロセスなどについて示されたガイダンスであり、2017年10月に公表されたドラフトガイダンスがファイナライズされたものです。

https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/de-novo-classification-process-evaluation-automatic-class-iii-designation

・Acceptance Review for De Novo Classification Requests
De Novo classification requestが受入れ可能かどうかの審査について示されたガイダンスであり、2019年9月に公表されたドラフトガイダンスがファイナライズされたものです。

https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/acceptance-review-de-novo-classification-requests

・User Fees and Refunds for De Novo Classification Requests
De Novo classification request(クラスIII判定の見直し要請)に関わる費用について示されたガイダンスであり、2019年9月に公表されていた同名のガイダンスが更新されたものです。 (1) 費用を支払う対象となるDe Novo classification requestの種類、(2) 費用を支払う例外となる場合、(3) 支払われた費用の払い戻しにつながる可能性のあるアクションについて記載されています。

https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/user-fees-and-refunds-de-novo-classification-requests

・FDA and Industry Actions on De Novo Classification Requests: Effect on FDA Review Clock and Goals
De Novo classification requestに対して行われる可能性のあるさまざまなFDAのアクション等について示されたガイダンスであり、2019年9月に公表されていた同名のガイダンスが更新されたものです。

https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/fda-and-industry-actions-de-novo-classification-requests-effect-fda-review-clock-and-goals

※FDA:米国食品医薬局(Food and Drug Administration)

7) 公的ヒト遺伝学的変異データベースのFDA認証について
(2021/10/5 Updated)

FDAは、公的ヒト遺伝学的変異データベースに関するウェブページを公表しました。

FDAは、2018年4月に遺伝学的およびゲノムベースの体外診断薬の臨床的妥当性を支援する公的ヒト遺伝子変異データベースの利用に関する最終ガイダンスを公表しています。

本ガイダンスでは、市販前申請において公的にアクセス可能なヒト遺伝学的変異データベースを活用できる基盤を整えるために、遺伝子変異データベースが、遺伝子およびゲノムに基づく検査の市販前申請における臨床的妥当性を裏付ける有効な科学的証拠のソースになり得るか判断する際の考慮事項について規定されています。

本ガイダンスに基づき、遺伝的変異データベースの管理者は、任意でFDAに認証申請することができます。

本ガイダンスに基づく申請によって、現在、以下のデータベースがFDAにおいて認証されています。

・MSK Oncology Knowledge Base (OncoKB)
http://www.oncokb.org/
・Clinical Genome Resource (ClinGen)
https://www.clinicalgenome.org/

詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://www.fda.gov/medical-devices/precision-medicine/fda-recognition-public-human-genetic-variant-databases

遺伝学的およびゲノムベースの体外診断薬の臨床的妥当性を支援する公的ヒト遺伝子変異データベースの利用に関する最終ガイダンス
https://www.fda.gov/media/99200/download

※FDA:米国食品医薬局(Food and Drug Administration)

8) 外科用ステープラーおよびステープルのラベリングにおける推奨事項に関する最終ガイダンスについて
(2021/10/8 Updated)

FDAは、外科用ステープラーおよびステープルのラベリングにおける推奨事項に関する最終ガイダンスを公表しました。

本ガイダンスでは、これらのデバイスの誤動作や誤用による死亡などの重篤な有害事象が発生したことを受け、ラベリングに関する推奨事項が規定されています。

また、本ガイダンスの附属書Aでは、ステープラーの種類に応じたパッケージラベルの例が示されています。

詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/surgical-staplers-and-staples-internal-use-labeling-recommendations

※FDA:米国食品医薬局(Food and Drug Administration)

9) GUDID要件におけるポリシーに関するドラフトガイダンスについて
(2021/10/14 Updated)

FDAは、GUDID要件におけるポリシーに関するドラフトガイダンスを公表しました。

弊社メールマガジン第73号でご案内しておりましたとおり、クラスI、未分類の機器およびダイレクトマーキングが必要な特定の機器におけるUDI遵守日に関するガイダンス(2020 UDIコンプライアンスポリシーガイダンス)が公表されています。

本ドラフトガイダンスは、上記ガイダンスのIII. Policy On Standard Date Formatting, UDI Labeling, and GUDID Submission Requirements for Class I and Unclassified Devicesのセクションを改訂する目的で発行されました。

本ドラフトガイダンスでは、FDAが21 CFR 830.300に基づくGUDID提出要件を施行する意図のない特定のクラスI機器(移植可能な生命維持装置以外のクラスI機器および未分類の機器)があることを説明し、クラスI機器のラベラーがその機器がコンプライアンスポリシーの範囲内にあるか判断する方法が規定されています。

本ドラフトガイダンスは、最終化後に2020 UDIコンプライアンスポリシーガイダンスのセクションIIIに組み込まれます。その他のセクションの実質的な変更は行われない見込みです。

本件に関する意見募集は、2021年12月13日まで実施されています。

詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/select-updates-unique-device-identification-policy-regarding-global-unique-device-identification

※GUDID:グローバルUDIデータベース(Global UDI Database)
※FDA:米国食品医薬局(Food and Drug Administration)

10) 補聴器および個人用音声増幅製品(PSAP)の規制要件に関するドラフトガイダンスについて
(2021/10/20 Updated)

FDAは、補聴器および個人用音声増幅製品(PSAP)の規制要件に関するドラフトガイダンスを公表しました。

補聴器およびPSAPはいずれもユーザーの音を聞く能力に影響を与えますが、製品の使用目的が異なるため、異なる規制の対象となります。

聴覚障害者の補助を目的とした補聴器とは異なり、PSAPは、疾病の診断、治療、治癒、緩和または予防を目的としたものではなく、身体の構造や機能に影響を与えるものではありません。そのため、FD&C Actで定義されている医療機器とはみなされません。

本ドラフトガイダンスでは、補聴器およびPSAPのそれぞれの使用目的および両製品に適用される規制要件を説明することを目的としています。

本件に関する意見募集は、2022年1月18日まで実施されています。

詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/regulatory-requirements-hearing-aid-devices-and-personal-sound-amplification-products

※FDA:米国食品医薬局(Food and Drug Administration)

11) FDA、カナダ保健省およびMHRAによるGood Machine Learning Practice (GMLP)の開発のための10の指針の公表について
(2021/10/27 Updated)

FDA、カナダ保健省およびMHRAは、Good Machine Learning Practice (GMLP)の開発のための10の指針を共同で公表しました。

AI・機械学習技術は、ソフトウェアのアルゴリズムを用いてリアルワールドの使用状況から学習し、状況によってはその情報を製品の性能向上に利用することができます。
しかし、これらの製品は、その複雑さや、データに基づいて反復的に開発されるという性質上、独自の考慮事項があります。

本指針は、これらの製品の性質に対応するGood Machine Learning Practice (GMLP)を開発するための基礎を築くことを目的としています。

指針
1. 製品ライフサイクル全体(Total Product Life Cycle)を通じた多分野にわたる専門知識を活用する。
2. 優れたソフトウェアエンジニアリングおよびセキュリティを実践する。
3. 臨床試験の参加者およびデータセットが意図した患者集団を代表している。
4. トレーニングデータセットがテストセットから独立している。
5. 最善の受け入れ可能な方法に基づく参照データセットを選択する。
6. 利用可能なデータに合わせたモデル設計および機器の使用目的を反映させている。
7. Human-in-the-loop (HITL)機械学習の場合、モデル単体だけでなく人とAIのチームの性能に重点を置いている。
8. 臨床的に適切な条件で機器の性能試験を実施する。
9. ユーザーに明確で必要な情報を提供する。
10. 導入されたモデルの性能の監視および再トレーニングのリスクを管理している。

詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://www.fda.gov/media/153486/download

※FDA:米国食品医薬局(Food and Drug Administration)
※MHRA:イギリス医薬品・医療製品規制庁(Medicines and Healthcare products Regulatory Agency)