【欧州(EU)】医療機器メールマガジン – 第88号(2021/11/10配信)

■ INDEX ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

1) ヘルシンキ手順2021年版ボーダーライン製品およびクラス分類に関する規制当局間の情報交換に関する文書について
2) EUDAMEDへのモジュール追加について
3) ノーティファイドボディ見解(NBOp)のテンプレートについて
4) 欧州AI規制法案に関するポジションペーパーについて
5) IVDRの経過措置期間延長に関する法案について
6) EUサイバーセキュリティ危機管理フレームワークの発展に関する採択について
7) MDRにおけるNotified Bodyの認定について
8) MDCGにより新たに承認された文書について
9) 欧州MDR関連情報ページについて

 

■ 詳細情報 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

1) ヘルシンキ手順2021年版ボーダーライン製品およびクラス分類に関する規制当局間の情報交換に関する文書について
(2021/9/27 Updated)

MDCGより、以下の文書が公表されました。

・Exchange of information between medical device competent authorities on borderline and classification cases Helsinki Procedure 2021

本文書は、2002年にヘルシンキで開催された医療機器規制当局会議において合意が行われた、ボーダーライン製品および医療機器/体外診断用医療機器のクラス分類における、EU規制当局間での協議システム(ヘルシンキ手順)に関する説明の最新版となります。ヘルシンキ手順は、MDR/IVDRの適用に伴い更新されました。

ボーダーライン製品および医療機器/体外診断用医療機器のクラス分類の決定については、国内の規制当局が責任を有していますが、国内の規制当局が法規制や先例に照らしても決定できない場合には、ヘルシンキ手順に則り、EU加盟各国の規制当局による協議を行うことができます。

本文書では、MDR/IVDRにおけるヘルシンキ手順の流れを示すフローチャートが示されています。

詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://ec.europa.eu/health/sites/default/files/md_sector/docs/md_border-class_helsinki-proc-mdr-ivdr_en.pdf

※MDCG:医療機器調整グループ(Medical Device Coordination Group)

2) EUDAMEDへのモジュール追加について
(2021/10/4 Updated)

EUDAMEDに新たに以下のモジュールが追加されました。

・Devices
・Certificates

弊社メールマガジン第85号でご案内しておりましたとおり、今後のEUDAMEDのモジュール追加等のスケジュールが公表されていますが、そちらから若干遅れてのモジュール追加となります。

詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://ec.europa.eu/tools/eudamed/#/screen/home

※MDCG:医療機器調整グループ(Medical Device Coordination Group)

3) ノーティファイドボディ見解(NBOp)のテンプレートについて
(2021/10/6 Updated)

Team-NBは、ノーティファイドボディ見解(NBOp)のテンプレートを公表しました。

MDR第117条において、ノーティファイドボディにより医薬品一体型医療機器の機器部品の適合性に関するノーティファイドボディ見解(NBOp)を販売承認関連書類に含めることが規定されています。

本テンプレートでは、NBOpの内容が示されています。

詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://www.team-nb.org/wp-content/uploads/2021/10/Team-NB-PositionPaper-Article117-NB-Opinion-Template-V1.pdf

4) 欧州AI規制法案に関するポジションペーパーについて
(2021/10/6 Updated)

Team-NBは、欧州AI規制法案に関するポジションペーパーを公表しました。

欧州AI規制法案は、欧州市場に置かれるAIシステムの管理レベルを特定するために、リスクベースのアプローチを実施する水平規制です。

本ポジションペーパーは、MDRおよびIVDRとの調和などを目的とした以下の内容 に関する提言や意見表明が行われています。

・定義
・AI 規制法のもとでの医療機器
・報告およびビジランス
・適合性評価手順
・認定(又は認可)

詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://www.team-nb.org/wp-content/uploads/2021/10/Team-NB-PositionPaper-Artificial-Intelligence.pdf

欧州AI規制法案
https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX%3A52021PC0206

5) IVDRの経過措置期間延長に関する法案について
(2021/10/14 Updated)

欧州委員会は、IVDRの経過措置期間を延長する法案を公表しました。

同法案によれば、ノーティファイドボディの不足を背景とし、IVDRにおいてノーティファイドボディの認証を必要とするクラス分類の機器について、クラス分類に応じた経過措置期間の延長が提起されています。

同規則の一般的な適用日に変更はなく、また、ノーティファイドボディの審査が行われないクラスA機器につきましては、当初の計画通り2022年5月26日までが移行期限となります。

①レガシーデバイス
(1) IVDDで自己適合宣言(ノーティファイドボディの認証なし)している機器で、かつIVDRでノーティファイドボディ認証を必要とする機器
IVDD機器としての市場への出荷期限は、IVDRでのクラス分類別に示すと以下のとおりです。

クラスB機器、クラスA滅菌機器:2027年5月26日まで
クラスC機器:2026年5月26日まで
クラスD機器:2025年5月26日まで

(2) IVDDでノーティファイドボディ認証されている機器
IVDD認証の有効期限:遅くとも2025年5月27日

②IVDR第5条5項に基づく欧州域内の医療機関でのみ製造、使用される機器
・IVDR第113条に(i)、(j)項を追加し、第5条5項の適用日を延期
– (b)(c)(e)~(i): 2024年5月26日から適用
– (d): 2028年5月26日から適用

詳細は、下記のURL より確認することができます。
https://ec.europa.eu/health/sites/default/files/md_newregulations/docs/md_2017-746-regulation_2021-amendment_en.pdf

また、IVDRの経過措置期間の延長法案の提出と同じタイミングで、弊社メールマガジン第84号でご案内しておりました、IVDR適用日(2022年5月26日)に向けた今後の準備/実施計画が更新されています。

詳細は、下記のURL より確認することができます。
https://ec.europa.eu/health/sites/default/files/md_sector/docs/md_joint-impl-plan_en.pdf

※IVDR:欧州体外診断用医療機器規則(In Vitro Diagnostic Medical Device Regulation)
※IVDD:欧州体外診断用医療機器指令(In Vitro Diagnostic Medical Device Directive)

6) EUサイバーセキュリティ危機管理フレームワークの発展に関する採択について
(2021/10/19 Updated)

欧州評議会は、EUおよび加盟国に対しEUサイバーセキュリティ危機管理フレームワークをさらに発展させるよう求める結論を採択した旨を公表しました。

弊社メールマガジン第85号でご案内しておりましたとおり、2021年6月に合同サイバーユニットの設立が提案されました。

欧州評議会は、サイバーコミュニティ内およびサイバーコミュニティ間で起こりうる情報共有のギャップの解消などを目的として、既存のネットワークを統合する必要性を強調しています。

また、今後の方針として、EUサイバーセキュリティ危機管理フレームワークの発展に関する政策立案および関連ガイダンスの提供を予定しています。

詳細は、下記のURL より確認することができます。
https://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2021/10/19/cybersecurity-council-adopts-conclusions-on-exploring-the-potential-of-a-joint-cyber-unit/

7) MDRにおけるNotified Bodyの認定について
(2021/10/20 Updated)

欧州では、各指令、規則ごとのノーティファイドボディの一覧がNANDOリスト、EUDAMEDにて公開されていますが、この度、MDRにおけるNotified Bodyとして、以下の追加認定が発表されました。

・CERTIQUALITY S.r.l. (Italy)

詳細は、下記のURL より確認することができます。
http://ec.europa.eu/growth/tools-databases/nando/index.cfm?fuseaction=directive.notifiedbody&dir_id=34

※NANDO: New Approach Notified and Designated Organisations

8) MDCGにより新たに承認された文書について
(2021/10/21 Updated)

MDCGより、新たに以下の文書が承認されました。
詳細は、下記のURLより確認することができます。

・MDCG 2019-6 Rev3 Questions and answers: Requirements relating to notified bodies
本ガイダンスは、弊社メールマガジン第60号でご案内いたしましたMDRおよびIVDRにおけるノーティファイドボディへの要求事項に関するガイダンスが改訂されたものです。
今回の改訂では、Question I.6の更新および文書中の誤記が修正されています。

https://ec.europa.eu/health/sites/default/files/md_sector/docs/md_mdcg_qa_requirements_notified_bodies_en.pdf

・MDCG 2021-24 Guidance on classification of medical devices
本ガイダンスは、MDR附属書VIII(クラス分類の規定)の定義語や各クラス分類規定について、具体例とともに解説が記載されており、各規定を理解する上で非常に有用なガイダンスとなります。
また、非侵襲機器、侵襲機器、能動機器、及び特別規定が適用される機器について、クラス分類規定の適用方法がディシジョンツリー形式で明確化されており、製造業者がクラス分類を決定する上で参照すべき、医療機器のクラス分類における必須ガイダンスとなります。

https://ec.europa.eu/health/sites/default/files/md_sector/docs/mdcg_2021-24_en.pdf

・MDCG 2021-25 Regulation (EU) 2017/745 – application of MDR requirements to ‘legacy devices’ and to devices placed on the market prior to 26 May 2021 in accordance with Directives 90/385/EEC or 93/42/EEC
MDCGは、MDD、AIMDD下で2021年5月26日以前に市場出荷された機器およびレガシーデバイスへのMDR要求事項の適用に関する特別タスクフォースを2021年5月に設置しました。

本ガイダンスは、その会議の報告書をMDCGガイダンスとして発行したものです。

特別タスクフォースでは以下のトピックについて議論され、本ガイダンス文書においては、各トピックに対するタスクフォースの見解が示されています。

・MDR第VII章に規定の、市販後監視、市場監視およびビジランスに関する要求事項のレガシーデバイスへの適用
・その他のMDR要求事項のレガシーデバイスへの適用
・MDD、AIMDD下で2021年5月26日以前に市場出荷された機器へのMDR要求事項の適用

また、タスクフォースの見解を基に本ガイダンスの附属書がまとめられています。
附属書では、関連するMDRの条文ごとに、レガシーデバイスへの適用・不適用が表形式で示されています。

https://ec.europa.eu/health/sites/default/files/md_sector/docs/md_mdcg_2021_25_en.pdf

・MDCG 2021-26 Questions and Answers on repackaging & relabelling activities under Article 16 of Regulation (EU) 2017/745 and Regulation (EU) 2017/746
本ガイダンスでは、MDR第16条2~4項に基づく医療機器のラベルの付け替えおよび再包装における活動に関するQ&Aが示されています。

https://ec.europa.eu/health/sites/default/files/md_sector/docs/md_mdcg_2021_26_en.pdf

※MDCG:医療機器調整グループ(Medical Device Coordination Group)
※MDR:欧州医療機器規則(Medical Device Regulation)
※IVDR:欧州体外診断用医療機器規則(In Vitro Diagnostic Medical Device Regulation)

9) 欧州MDR関連情報ページについて
サン・フレアでは、MDRにおける主要なガイダンス情報や、MDR適用日の延期に至るまでの過程、Notified Bodyの認定状況等を、下記、弊社WEBサイトにてご提供しております。随時、追加や更新を行ってまいりますので、日々の業務や情報収集に是非お役立ていただけましたら幸いです。

■欧州MDR関連情報
https://md.sunflare.com/news/medicaldeviceregulation/

■規制対応のための重要資料
https://md.sunflare.com/lawsystem_category/lawsystem_eu/

上記ページでは、欧州委員会等規制当局から発表される情報等をもとに、以下の情報を取りまとめております。

・MDR移行スケジュール
・MDRにおける主要な改正事項
・MDRにおける主要なガイダンス情報
・主要ガイダンス文書発行に関する今後の見通し
・ノーティファイドボディ リスト一覧(IVDR:体外診断用医療機器)
・ノーティファイドボディ リスト一覧(MDR:医療機器)
・医療機器関連法規制対応のための重要資料

サン・フレアでは、弊社サービスを通じて培ってきた知見やノウハウを活かしながら、今後もお客様へ有益な情報を提供してまいります。