【欧州(EU)】医療機器メールマガジン – 第95号(2022/6/10配信)
■ INDEX ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
1) 一部の整合規格の公表について
2) MDRにおけるNotified Bodyの認定について
3) 体外診断用医療機器におけるスイスとの相互承認協定(MRA)について
4) MDCGにより新たに承認された文書について
5) ノーティファイドボディの審査が行われないクラスA機器へのIVDRの適用について
6) 欧州MDR・IVDR関連情報ページについて
■ 詳細情報 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
1) 一部の整合規格の公表について
(2022/5/17 Updated)
欧州委員会は、MDRおよびIVDRの以下の一部の整合規格を公表しました。
整合規格には、滅菌関連規格およびリスクマネジメントの規格の追加、品質マネジメントシステムの規格の置き換えについて示されています。
詳細は、下記のURL より確認することができます。
※MDR:欧州医療機器規則(Medical Device Regulation)
※IVDR:欧州体外診断用医療機器規則(In Vitro Diagnostic Medical Device Regulation)
2) MDRにおけるNotified Bodyの認定について
(2022/5/18 Updated)
欧州では、各指令、規則ごとのノーティファイドボディの一覧がNANDOリスト、EUDAMEDにて公開されていますが、この度、MDRにおけるNotified Bodyとして、以下の追加認定が発表されました。
・TUV NORD Polska Sp. z o.o (Poland)
詳細は、下記のURL より確認することができます。
http://ec.europa.eu/growth/tools-databases/nando/index.cfm?fuseaction=directive.notifiedbody&dir_id=34
※NANDO: New Approach Notified and Designated Organisations
3) 体外診断用医療機器におけるスイスとの相互承認協定(MRA)の状況について
(2022/5/24 Updated)
欧州委員会は、体外診断用医療機器におけるスイスとの相互承認協定(MRA)の状況について公表しました。
医療機器と同様、体外診断用医療機器においても2022年5月26日をもってMRAが無効になりました。
これにより、今後は以下の影響について留意する必要があります。
・新規で承認を取得する体外診断用医療機器について、スイスの医療機器製造業者は、EU域外の製造業者と同様に、EU域内の適合性評価機関による認証が必要です。
・スイスの適合性評価機関がMRAに基づいて発行した既存の認証書は、EUでは無効になります。
・EU域内の適合性評価機関がMRAに基づいて発行した既存の認証書については、スイス国内の法定代理人を指定していた製造業者は、EU域内の法定代理人を指定する必要があります。
詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://ec.europa.eu/health/latest-updates/notice-stakeholders-status-eu-switzerland-mutual-recognition-agreement-mra-vitro-diagnostic-medical-2022-05-24_en
4) MDCGにより新たに承認された文書について
(2022/5/25 Updated)
MDCGより、新たに以下の文書が承認されました。
・MDCG 2022-6 Guidance on significant changes regarding the transitional provision under Article 110(3) of the IVDR
https://ec.europa.eu/health/system/files/2022-05/mdcg_2022-6.pdf
本ガイダンスは、IVDR第110条3項に規定されている、設計および意図する使用に対する重大な変更について明確化を行い、判断の指針を提供することを目的としています。
IVDR第110条3項においては、IVDDに従い認証書が発行され、IVDR第110条2項により有効である機器及び2022年5月26日までにIVDDに従い適合宣言したIVDRにおいてノーティファイドボディ関与となる機器(IVDRでのクラスアップにより新たにNB認証が必要になる機器)は、IVDRの適用日から継続して当該指令に準拠しており、設計および使用目的が大きく変更されていないという条件で、市場へ出荷または使用を開始してもよいと規定されております。
弊社メールマガジン第69号でご案内しておりました、MDCG 2020-3 (MDR第120条に係る経過措置期間中におけるMDDまたはAIMDD認証機器に対する重大な変更に関するガイダンス)から得られた知見も本ガイダンスでは考慮され、どのような変更が設計および意図する使用に対する重大な変更に該当するかについて整理され説明されています。
また、設計および意図する使用に関係しない変更や、重大な変更となみなされない設計および意図する使用に対する変更についても、例や説明が示されています。
本文書には、IVDR第110条3項により重大な変更とみなされる変更について、製造業者が判断を行う際に役立つフローチャートが附属書として添付されています。
・MDCG 2022-7 – Q&A on the Unique Device Identification system under Regulation (EU) 2017/745 and Regulation (EU) 2017/746
本ガイダンスでは、ラベリング、キット製品およびEUDAMED等の観点から、MDRおよびIVDRにおけるUDI要求事項の適用について、実際の運用面における具体的なQ&Aが示されています。
・MDCG 2022-8 Regulation (EU) 2017/746 – application of IVDR requirements to ‘legacy devices’ and to devices placed on the market prior to 26 May 2022
本ガイダンスでは、レガシーデバイスおよび2022年5月26日以前に市場出荷された機器へのIVDR要求事項の適用にあたり、以下に関する指針が規定されています。
– IVDR第VII章に規定の、市販後監視、市場監視およびビジランスに関する要求事項のレガシーデバイスへの適用
– その他のIVDR要求事項のレガシーデバイスへの適用
– 2022年5月26日より前に市場出荷された機器へのIVDR要求事項の適用
また、本ガイダンスの附属書において、関連するIVDRの条文ごとに、レガシーデバイスへの適用・不適用が表形式で示されています。
・MDCG 2022-9 Summary of safety and performance template
本ガイダンスでは、IVDR第29条で規定されているSSPのテンプレートが示されており、SSPに含めるべき文言、記載すべき情報等が規定されています。
本ガイダンスは、自己検査用機器ではない体外診断用医療機器および自己検査用機器それぞれのテンプレートが示されています。
・MDCG 2022-10 Q&A on the interface between Regulation (EU) 536/2014 on clinical trials for medicinal products for human use (CTR) and Regulation (EU) 2017/746
https://ec.europa.eu/health/latest-updates/mdcg-2022-10-qa-interface-between-regulation-eu-5362014-clinical-trials-medicinal-products-human-use-2022-05-25_en
医薬品の臨床試験データベースおよび医療機器データベースの相互運用の必要性はIVDRにおいて言及されていますが、臨床試験で使用されるアッセイの要求事項について明確に詳細を規定する法令はありません。
本ガイダンスは、臨床試験で使用されるアッセイの規制状況を明確にし、IVDアッセイを使用して実施される臨床試験を支援する目的で発行されました。
また、本ガイダンスは、CTFGによって採択され、MDCGによって承認されました。
本ガイダンスでは、CTRに準拠して実施される臨床試験の枠組みにおける、IVDRの要求事項の範囲内でのアッセイの使用に関するQ&Aがまとめられています。
※IVDR:欧州体外診断用医療機器規則(In Vitro Diagnostic Medical Device Regulation)
※IVDD:欧州体外診断用医療機器指令(In Vitro Diagnostic Medical Device Directive)
※SSP:安全性および性能の要約(Summary of safety and performance)
※CTFG:臨床試験円滑化調整グループ(Clinical Trials Facilitation and Coordination Group)
※CTR:臨床試験規則(Clinical Trial Regulation)
5) ノーティファイドボディの審査が行われないクラスA機器へのIVDRの適用について
(2022/5/26 Updated)
2022年5月26日より、ノーティファイドボディの審査が行われないクラスA機器に対してIVDRが適用されました。
IVDRの適用により、医療機器の品質、安全性および信頼性の向上、医療機器に関する情報へのアクセスの簡便化、ビジランスおよび市販後監視の強化が図られます。
詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_22_3288
また、IVDRに関するQ&Aが公表されました。
詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/QANDA_22_3289
※IVDR:欧州体外診断用医療機器規則(In Vitro Diagnostic Medical Device Regulation)
6) 欧州MDR・IVDR関連情報ページについて
サン・フレアでは、MDR・IVDRにおける主要なガイダンス情報や、MDR・IVDR適用日の延期に至るまでの過程、Notified Bodyの認定状況等を、下記、弊社WEBサイトにてご提供しております。随時、追加や更新を行ってまいりますので、日々の業務や情報収集に是非お役立ていただけましたら幸いです。
■欧州MDR関連情報
https://md.sunflare.com/news/medicaldeviceregulation/
■規制対応のための重要資料
https://md.sunflare.com/lawsystem_category/lawsystem_eu/
上記ページでは、欧州委員会等規制当局から発表される情報等をもとに、以下の情報を取りまとめております。
・MDR移行スケジュール
・MDRにおける主要な改正事項
・MDRにおける主要なガイダンス情報
・主要ガイダンス文書発行に関する今後の見通し
・ノーティファイドボディ リスト一覧(IVDR:体外診断用医療機器)
・ノーティファイドボディ リスト一覧(MDR:医療機器)
・医療機器関連法規制対応のための重要資料
サン・フレアでは、弊社サービスを通じて培ってきた知見やノウハウを活かしながら、今後もお客様へ有益な情報を提供してまいります。