【欧州(EU)】医療機器メールマガジン – 第119号(2024/6/12配信)

■ INDEX ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

1) MDRにおけるNotified Bodyの認定について(その1)
2) MDCGにより新たに承認された文書について
3) 欧州AI規則の成立について
4) MDCGにより新たに承認された文書について
5) 欧州水銀フリーに関する措置の承認について
6) 欧州理事会による医療機器の不足防止に関する新たな措置の採択について
7) 欧州MDR・IVDR関連情報ページについて

 

■ 詳細情報 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

1) MDRにおけるNotified Bodyの認定について
(2024/514 Updated)

欧州では、各指令、規則ごとのノーティファイドボディの一覧がNANDOリストにて公開されていますが、この度、MDRにおけるNotified Bodyとして、以下の追加認定が発表されました。

・MTIC InterCert S.r.l.(Italy)
・Kiwa Belgelendirme Hizmetleri A.Ş.(Türkiye)
・QMD Services GmbH(Austria)

詳細は、下記のURL より確認することができます。
https://webgate.ec.europa.eu/single-market-compliance-space/#/notified-bodies/notifications?organizationRefeCd=EPOS_43390&filter=notificationStatusId:1

※NANDO: New Approach Notified and Designated Organisations
※MDR:欧州医療機器規則(Medical Device Regulation)

2) MDCGにより新たに承認された文書について
(2024/5/15 Updated)

MDCG より、新たに以下の文書が承認されました。

・MDCG 2024-6 Preliminary assessment review (PAR) form template (MDR)
・MDCG 2024-7 Preliminary assessment review (PAR) form template (IVDR)
・MDCG 2024-8 Preliminary re-assessment review (PRAR) form template (MDR)
・MDCG 2024-9 Preliminary re-assessment review (PRAR) form template (IVDR)

本テンプレートは、当局が下記の申請の審査内容を文書化するためのフォームとなります。
(1) 適合性評価機関(CAB)が、当局にMDR/IVDRのNBとなるための申請をした際の審査の記録用
(2) 当局がNBを再審査する際の記録用

各テンプレートは、下記のURLより確認することができます。

・MDCG 2024-6 Preliminary assessment review (PAR) form template (MDR)
https://view.officeapps.live.com/op/view.aspx?src=https%3A%2F%2Fhealth.ec.europa.eu%2Fdocument%2Fdownload%2F939cc0b8-8db5-4b0d-b2b7-a15a98a44cbd_en%3Ffilename%3Dmdcg_2024-7_en.docx&wdOrigin=BROWSELINK

・MDCG 2024-7 Preliminary assessment review (PAR) form template (IVDR)
https://view.officeapps.live.com/op/view.aspx?src=https%3A%2F%2Fhealth.ec.europa.eu%2Fdocument%2Fdownload%2F9819fd07-3281-477b-a8c6-22c0c47c47a6_en%3Ffilename%3Dmdcg_2024-8_en.docx&wdOrigin=BROWSELINK

・MDCG 2024-8 Preliminary re-assessment review (PRAR) form template (MDR)
https://view.officeapps.live.com/op/view.aspx?src=https%3A%2F%2Fhealth.ec.europa.eu%2Fdocument%2Fdownload%2F88772d4f-9e29-4b1b-aa41-adcc74b6bb41_en%3Ffilename%3Dmdcg_2024-6_en.docx&wdOrigin=BROWSELINK

・MDCG 2024-9 Preliminary re-assessment review (PRAR) form template (IVDR)
https://view.officeapps.live.com/op/view.aspx?src=https%3A%2F%2Fhealth.ec.europa.eu%2Fdocument%2Fdownload%2Ff067a42e-4af6-47dd-980f-b251eeeafaf0_en%3Ffilename%3Dmdcg_2024-9_en.docx&wdOrigin=BROWSELINK

※MDCG:医療機器調整グループ(Medical Device Coordination Group)
※MDR:欧州医療機器規則(Medical Device Regulation)
※IVDR:欧州体外診断用医療機器規則(In Vitro Diagnostic Medical Device Regulation)

3) 欧州AI規則の成立について
(2024/5/21 Update)

弊社メールマガジン第117号でご案内しておりましたAIに関する世界初の法規制の枠組みとなる欧州AI規則が成立しました。

AIに関する世界初の法規制の枠組みとなる欧州AI規則の最終草案が3月13日に欧州議会で可決されました。この後、欧州連合理事会による最終承認後、2024年上半期の成立が見込まれています。
AI法(AI Act)とも呼ばれるこの規制は、実際はMDRやIVDRと同じ新しい法的枠組み(NLF)に含まれる規則(Regulation)で、第2条に定義されるとおり、欧州域内で使用されるAIシステムに適用され、AI技術を用いた医療機器にも適用されます。

同規則では、AIを汎用AIと高リスクAIに分けて規制要件を定めています。高リスクAIについては第6条で規定されており、MDR/IVDR等のNLF規則のうちノーティファイドボディが関与する製品は、高リスクAIに該当する旨が定められています。また、汎用AIのうち、システミックリスクと定義される社会的な影響のあるAIについては、追加の要件が定められています。

高リスクAIの要件については、第3章のセクション2で定められており、リスクマネジメント、データガバナンス、技術文書の作成・維持、記録管理、透明性と使用者への情報提供、人による監視、サイバーセキュリティ等が規定されています。

その他、高リスクAIのプロバイダーには、QMSの確立、是正措置と情報提供、市販後のモニタリング、インシデントの報告等も義務づけられています。また、新しく作成される高リスクAI用のデータベースへの登録も必要とされています。
罰金については、MDR/IVDRでは加盟各国で定めるとされており具体的な金額の明記はありませんが、AI規則では禁止事項が第5条に規定されており、これについて第99条では最大3500万ユーロ、または年間世界売上高の7%の罰金が科されると規定されています。その他の違反に対する罰金についても明示されています。

成立後は、官報掲載から20日後に発効し2年の移行期間を経て全面的な適用となります。ただし、禁止事項については発効から半年後の適用、行動規範は発効から9か月後の適用、汎用AIについては発効から1年後の適用、高リスクAIの義務については発効から3年後の適用となります。

詳細は、下記のURLより確認することができます。
欧州閣僚理事会プレスリリース
https://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2024/05/21/artificial-intelligence-ai-act-council-gives-final-green-light-to-the-first-worldwide-rules-on-ai/

採択結果
eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CONSIL:ST_10199_2024_INIT

3月13日に欧州議会で承認された規制案
https://www.europarl.europa.eu/doceo/document/TA-9-2024-0138_EN.pdf

※MDR:欧州医療機器規則(Medical Device Regulation)
※IVDR:欧州体外診断用医療機器規則(In Vitro Diagnostic Medical Device Regulation)
※「AI法」とも称されますが、記載のとおりRegulationであることから、本記事では「同規則」や「AI規則」と表記しています。

4) MDCGにより新たに承認された文書について
(2024/5/27 Updated)

弊社メールマガジン第102号でご案内しておりました同ガイダンスが、改訂されました。

・MDCG 2022-4 Rev 2 Guidance on appropriate surveillance regarding the transitional provisions under Article 120 of the MDR with regard to devices covered by certificates according to the MDD or the AIMDD

本ガイダンスは2023年3月15日の欧州議会および理事会の規則(EU)2023/607に合わせて文書全体を改訂されました。

詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://health.ec.europa.eu/latest-updates/revision-2-mdcg-2022-4-mdr-appropriate-surveillance-2024-05-27_en

※MDCG:医療機器調整グループ(Medical Device Coordination Group)
※MDD:欧州医療機器指令(Medical Device Directive)
※AIMDD:欧州能動型植込み可能医療機器指令(Active Implantable Medical Device Directive)

5) 欧州水銀フリーに関する措置の承認について
(2024/5/30 Updated)

欧州理事会は、歯科用アマルガムの使用を完全に禁止し、その他の水銀添加製品の製造、輸入、輸出を禁止する規則を採択しました。

歯科用アマルガムの輸出は2025年1月1日から禁止され、EUでの製造と輸入の禁止は2026年7月1日から適用されます。

詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2024/05/30/council-signs-off-on-measures-to-make-the-eu-mercury-free/

6) 欧州理事会による医療機器の不足防止に関する新たな措置の採択について
(2024/5/30 Updated)

欧州理事会は医療機器の不足防止と情報への透明性とアクセス向上を容易にするために、医療機器に関する法律を改正する新たな規則を採択しました。

採択された規則は下記の内容が含まれます。
・特定の体外診断用医療機器の移行期間の延長
・電子データベース(EUDAMED)の段階的な導入
・重要な医療機器と体外診断装置の不足をメーカーに報告するよう義務付ける

詳細は、下記のURLより確認することができます。
https://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2024/05/30/medical-devices-council-adopts-new-measures-to-help-prevent-shortages/

7) 欧州MDR・IVDR関連情報ページについて
サン・フレアでは、MDR・IVDRにおける主要なガイダンス情報や、MDR・IVDR適用日の延期に至るまでの過程、Notified Bodyの認定状況等を、下記、弊社WEBサイトにてご提供しております。随時、追加や更新を行ってまいりますので、日々の業務や情報収集に是非お役立ていただけましたら幸いです。

■規制対応のための重要資料
https://md.sunflare.com/lawsystem_category/lawsystem_eu/

上記ページでは、欧州委員会等規制当局から発表される情報等をもとに、以下の情報を取りまとめております。

・法規制および関連文書の体系
・MDRにおける主要なガイダンス情報
・主要ガイダンス文書発行に関する今後の見通し
・共通仕様、整合規格

サン・フレアでは、弊社サービスを通じて培ってきた知見やノウハウを活かしながら、今後もお客様へ有益な情報を提供してまいります。